年収の手取りはいくら?年収別の早見表と計算のしくみ
求人や給与明細で見る「年収」と、実際に使えるお金(手取り)は違います。この記事では、なぜ差が出るのか、何が引かれるのかをやさしく説明し、年収別の手取りの目安を早見表でまとめます。
額面と手取りの違い
「額面」は会社が払う給与の総額です。ここから税金と社会保険料が引かれた残りが、銀行に振り込まれる「手取り」になります。ざっくり言うと、手取りは額面のおよそ75〜85%です。年収が高いほど税率が上がるため、手取りの割合は少しずつ下がります。
給与から引かれるもの
- 健康保険料:病気やけがのときの医療費を支える保険。
- 厚生年金保険料:将来の年金のための積み立て。
- 雇用保険料:失業したときの給付などのため。
- 所得税:1年間の所得にかかる国の税金。
- 住民税:住んでいる自治体に納める税金(前年の所得をもとに計算)。
このうち社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)が、引かれる金額の大きな部分を占めます。
年収別 手取りの早見表(目安)
会社員(独身・40歳未満・扶養なし)のおおよその手取りです。地域や加入する保険で多少前後します。
| 額面年収 | 手取りの目安 | 手取り率 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約237万円 | 約79% |
| 400万円 | 約312万円 | 約78% |
| 500万円 | 約387万円 | 約77% |
| 600万円 | 約458万円 | 約76% |
| 700万円 | 約525万円 | 約75% |
| 800万円 | 約592万円 | 約74% |
| 1000万円 | 約722万円 | 約72% |
あなたの正確な手取りは、年収手取り計算ツールに額面を入れるとすぐ出せます。
手取りを増やすには
税金は「控除(こうじょ)」を使うと軽くできます。控除とは、税金の計算のもとになる金額を減らせるしくみです。代表的なものを挙げます。
- ふるさと納税:実質2,000円の負担で各地の返礼品がもらえ、住民税などが軽くなります。上限はふるさと納税 上限計算で確認できます。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):積み立てた金額がまるごと所得控除になり、その年の税金が減ります。
- つみたてNISA:運用で増えた分が非課税。将来いくらになるかは積立NISAシミュレーターで試せます。
まとめ
額面と手取りの差は、税金と社会保険料によるものです。年収が上がるほど手取り率は下がりますが、控除をうまく使えば手取りを実質的に増やせます。まずは自分の手取りを把握することから始めましょう。
住民税は1年遅れでやってくる
住民税は前年の所得をもとに計算され、翌年6月から給与天引きが始まります。新卒1年目に住民税が引かれないのはこのためで、2年目の6月から「手取りが減った」と感じるのはこの仕組みによるものです。
逆に、退職や減収の翌年は、収入が下がっているのに前年基準の住民税を払うことになります。転職や独立の前後は、この時間差を見込んで現金を残しておくと安心です。
社会保険料は月給ではなく「標準報酬月額」で決まる
健康保険料と厚生年金保険料は、毎月の給与額そのものではなく、4〜6月の給与の平均から決まる「標準報酬月額」をもとに、その年の9月から翌年8月まで適用されます。
そのため、4〜6月に残業が多かった年は、その後1年間の社会保険料が高くなります。この時期の残業が手取りに1年間影響する、という点は知っておくと納得しやすくなります。
ボーナスの手取り
賞与からも社会保険料と所得税が引かれます。額面の75〜85%程度が手取りになるのが一般的で、月給と同じくらいの割合です。
ただし、賞与にかかる所得税は「前月の給与額」をもとにした税率で源泉徴収されるため、月給との関係で多めに引かれることがあります。年末調整で精算されるため、引かれすぎた分は戻ってきます。
手取りを増やす方法
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| iDeCo(個人型確定拠出年金) | 掛金が全額所得控除。所得税・住民税が下がる |
| ふるさと納税 | 上限内なら自己負担2,000円で控除される |
| 医療費控除 | 年間の医療費が多かった年は確定申告で還付 |
| 生命保険料控除 | 年末調整で申告を忘れない |
| 通勤手当の非課税枠 | 一定額までは課税されない |
iDeCoは老後まで引き出せない代わりに節税効果が大きく、ふるさと納税は上限を超えなければ確実に得になります。まずはこの2つから検討するのが分かりやすい順序です。
転職を比べるときは手取りで
額面年収が50万円増えても、税率と社会保険料の関係で手取りの増加はそれより小さくなります。さらに、通勤時間や残業時間が変われば、時間あたりの実質的な収入も変わります。
複数のオファーを比べるときは、額面ではなく「手取り ÷ 年間労働時間」で並べてみると、判断が変わることがあります。
