年次有給休暇は、入社から6か月が経過し、その間の出勤率が8割以上であれば、法律上当然に発生します。会社が「うちは3年目から」と決めることはできません。このツールは、入社日と働き方から法定の付与日数と時効を計算します。
通常の労働者の付与日数
週5日以上勤務、または週の所定労働時間が30時間以上の人が対象です。正社員だけでなく、この条件を満たすパート・アルバイト・契約社員も同じ日数が付与されます。雇用形態ではなく、労働日数と労働時間で決まります。
| 継続勤務 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
週4日以下の人は比例付与
週の所定労働日数が4日以下で、かつ週の所定労働時間が30時間未満の人は、日数に応じた比例付与になります。週4日勤務でも、1日の労働時間が長く週30時間以上になる場合は、通常の労働者と同じ日数です。
| 週の所定労働日数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 週4日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 週3日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 週2日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 週1日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
時効は2年・繰り越せるのは1年分
有給休暇の請求権は、労働基準法115条により2年で時効消滅します。そのため、使わなかった分を繰り越せるのは翌年までで、実質的に保有できるのは直近2年分です。
通常の労働者なら、6.5年以上勤務で年20日が付与されるため、繰越分と合わせて最大40日が上限になります。それ以上は積み上がりません。
年5日は取得させることが義務
2019年4月から、年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、そのうち5日は使用者が時季を指定してでも取得させることが義務になりました。労働者が自分で取得した日数や、計画的付与で取得した日数は、この5日に算入されます。
違反した使用者には罰則(30万円以下の罰金)が定められています。「忙しくて取れない」状態が続いている場合、それは会社側の義務違反にあたる可能性があります。
知っておきたいルール
- 取得の理由を会社に伝える義務はありません(申請書の「理由」欄は任意です)
- 会社は時季変更権を持ちますが、これは「事業の正常な運営を妨げる場合」に限られ、時期をずらしてもらう権利であって拒否する権利ではありません
- 退職時に残った有給は、退職日までの範囲で消化できます。買い取りは原則できませんが、時効消滅分や退職時の残日数について任意に買い取ることは可能とされています
- パート・アルバイトにも当然に付与されます。「うちは有給がない」という説明は法的に成り立ちません
- 出勤率の計算では、業務上の負傷による休業期間・産前産後休業・育児介護休業は出勤したものとして扱われます
※ 出勤率8割以上を満たした前提の法定日数です。会社独自の上乗せ、基準日を全社で統一する運用(斉一的取扱い)がある場合は実際と異なります。
※ 正確な残日数は勤務先の勤怠システムや就業規則をご確認ください。争いがある場合は労働基準監督署や専門家にご相談ください。
よくある質問
Q 有給はいつから発生しますか?
入社から6か月経過し、その間の出勤率が8割以上であれば発生します。以後は1年ごとに付与されます。
Q パート・アルバイトにも有給はありますか?
あります。週の労働日数に応じた比例付与という仕組みで、週1日勤務でも付与されます。
Q 使わなかった有給はどうなりますか?
翌年に繰り越せますが、2年で時効消滅します。実質的に保有できるのは直近2年分です。
Q 有給を取る理由を言う必要はありますか?
法律上、理由を告げる義務はありません。会社が理由によって取得を拒むこともできません。
Q 退職時に残った有給はどうなりますか?
退職日までの範囲で消化できます。買い取りは原則認められていませんが、退職時の残日数を任意に買い取ることは可能とされています。
